経営者保証とは?社長が借入前に知るべきリスクと外し方
- 経営者保証とは何か
- 経営者保証のリスク
- 保証を外すための条件
- これから借入する社長が意識すべきこと
経営者保証とは?
経営者保証とは、会社(法人)が金融機関から借入をする際に、社長個人が「連帯保証人」となる仕組みです。会社が返済できなくなった場合、社長個人が会社の借金を返済する義務を負います。
本来、会社と個人は別の存在です。会社が倒れても、社長個人の財産までは取られない——これが法人化のメリットの一つのはずです。ところが経営者保証をつけると、会社の借金が、実質的に社長個人の借金にもなってしまうのです。中小企業の融資では長く当たり前とされてきましたが、その重さを理解しておくことがとても大切です。
経営者保証のリスク
経営者保証には、見過ごせないリスクがあります。万一のときに、どんなことが起こり得るのかを知っておきましょう。
- 個人財産を失う:会社が返せないと、自宅や預貯金など個人の財産で返済を求められる
- 再挑戦が難しくなる:事業に失敗したとき、個人の負債が再起の足かせになる
- 家族への影響:個人保証が、家族の生活にまで影響することがある
- 事業承継の壁:後継者が保証を引き継ぎたがらず、承継が進まないことがある
特に深刻なのが、事業の再挑戦や承継への影響です。一度の失敗で個人まで破綻すると、再びチャレンジするのが難しくなります。また、後継者が「保証を背負うのは嫌だ」と承継をためらうケースも少なくありません。経営者保証は、会社の未来にも関わる重要な問題なのです。
「経営者保証ガイドライン」を知っておこう
経営者保証について考えるうえで、ぜひ知っておきたいのが「経営者保証に関するガイドライン」です。これは、経営者保証に依存しない融資を広げるために作られた、自主的なルールのような取り決めです。
このガイドラインでは、一定の条件を満たす会社について、経営者保証なしで融資を受けたり、既存の保証を見直したりできる方向性が示されています。法的な強制力があるわけではありませんが、金融機関もこの考え方に沿った対応を進めてきています。「保証は当たり前」という時代から、「条件が整えば外せる」時代へと、流れは確実に変わってきているのです。
また、万一会社が立ち行かなくなった場合でも、誠実に対応すれば、再起のために一定の生活基盤を残せるよう配慮される仕組みも整えられてきています。経営者が過度に個人破綻に追い込まれないようにする——そんな考え方が広がっているのです。
経営者保証を「外す」ための条件
近年は、経営者保証に頼らない融資を促す流れが進んでいます。一定の条件を満たせば、保証なしで借りられたり、既存の保証を外せたりする可能性があります。一般に重視されるのは、次のような点です。
会社と個人の資産・経理が分かれている
会社のお金と社長個人のお金が明確に区別され、公私混同がないこと。会社から社長への不透明な貸し付けなどがない状態が望まれます。財務基盤がしっかりしている
利益が出ていて、自己資本が厚く、借入を返済できる力があること。財務の健全性が高いほど、保証なしでも信頼されやすくなります。金融機関への情報開示が適切
決算内容や経営状況を、金融機関にきちんと開示していること。日頃から透明性のある情報共有をしている会社は、保証を外しやすくなります。これから借入する社長が意識すべきこと
経営者保証と上手に付き合うために、これから借入を考える社長は次の点を意識しましょう。
- 保証の有無や条件を、署名前に必ず確認する
- 会社と個人のお金を、普段からきっちり分ける
- 財務を健全に保ち、自己資本を厚くする
- 金融機関に決算や経営状況を適切に開示する
- 保証を外せないか、金融機関に相談してみる
【具体例】保証なし融資を実現したY社
Y社の社長は、長年、借入のたびに経営者保証を求められ、「会社の借金=自分の借金」という重圧を感じていました。そこで、会社と個人の口座をきっちり分け、利益を内部留保に回して財務を改善。決算内容も金融機関に丁寧に開示するようにしました。
数年かけて財務体質が改善した結果、金融機関から経営者保証なしの融資を受けられるようになりました。「公私を分けて財務を整えることが、結局は自分自身を守ることにつながった」とY社の社長は話します。
よくある質問(FAQ)
- 経営者保証は会社の借金を社長個人が肩代わりする約束
- 個人財産の喪失・再挑戦や承継の妨げになるリスクがある
- 公私の区別・財務の健全性・情報開示が外す条件
- 署名前に保証の有無と条件を必ず確認する
- 保証を外す努力は、そのまま良い経営につながる


