資金繰り表が続かない会社のための簡単な作り方
- 資金繰り表が続かない理由
- シンプルな資金繰り表の作り方
- 続けるための工夫
- 慣れてきたらやること
資金繰り表が「続かない理由」
資金繰り表が続かないのには、はっきりした理由があります。多くの場合、最初から完璧で細かい表を作ろうとして、手間がかかりすぎることが原因です。
項目を細かく分けすぎたり、すべての取引を正確に入力しようとしたりすると、作るだけで疲れてしまいます。続けることが目的なのに、作り込むことが目的になってしまうのです。資金繰り表は、経営判断に使えればいい道具。だから、まずは「ざっくり・シンプル」に作って、続けることを最優先にしましょう。
そもそも、なぜ資金繰り表が必要なのか
作り方の前に、「なぜ続けてまで作る必要があるのか」を確認しておきましょう。目的がはっきりすると、続けるモチベーションも保ちやすくなります。
会社が倒れる最大の理由は、赤字ではなく「お金が尽きること(資金ショート)」です。そして、資金ショートはお金の流れを先読みしていれば、ほとんど防げるもの。その「先読み」を可能にするのが、資金繰り表なのです。
利益が出ていても、入金より支払いが先に来れば、一時的に現金が足りなくなることがあります。損益計算書(利益)だけ見ていては、この危険に気づけません。資金繰り表で「いつ・いくら現金があるか」を追うからこそ、ピンチを前もって察知できるのです。つまり、資金繰り表は会社を倒産から守るための、いちばん身近な道具。だからこそ、続ける価値があります。
シンプルな資金繰り表の作り方
では、続けられるシンプルな資金繰り表を作ってみましょう。必要なのは、たった4つの行だけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① 月初の現金残高 | その月の始めにある現金 |
| ② 入金 | その月に入ってくるお金の合計 |
| ③ 出金 | その月に出ていくお金の合計 |
| ④ 月末の現金残高 | ①+②−③で計算 |
たったこれだけです。「月初残高+入金−出金=月末残高」。この月末残高が、翌月の月初残高になります。これを3か月先まで並べるだけで、立派な資金繰り表になります。エクセルでも、手書きのノートでも構いません。まずはこのシンプルな形から始めましょう。
今の現金残高を書く
すべての口座の現金を合計し、今月の「月初残高」とします。これが出発点です。入金と出金をざっくり書く
その月に入る見込みのお金と、出ていく見込みのお金を、それぞれ合計でざっくり書きます。細かく分けなくてOKです。月末残高を計算する
「月初残高+入金−出金」で月末残高を出します。これを3か月先まで繰り返すだけで完成です。続けるための工夫
シンプルにしたうえで、さらに続けやすくする工夫を取り入れましょう。
- 更新する「曜日・日にち」を決めて習慣化する
- 会計ソフトや銀行アプリで、残高確認をラクにする
- 最初は3か月先まで。慣れたら期間を延ばす
- 正確さより「続けること」を優先する
- カレンダーやリマインダーで、更新を忘れない工夫をする
慣れてきたらやること
シンプルな資金繰り表に慣れてきたら、少しずつレベルアップしていきましょう。
たとえば、入金を「売上の回収」「借入」などに分けたり、出金を「仕入れ」「人件費」「返済」などに分けたりすると、お金の流れがより詳しく見えてきます。また、予定と実績を並べて、ズレを確認するようにすると、予測の精度が上がります。ただし、これらは「続けられるようになってから」でOK。まずはシンプルな形を習慣にすることが、何よりの第一歩です。
【具体例】シンプル化で習慣化できたD社
D社の社長は、過去に何度も資金繰り表に挑戦しては挫折していました。原因は、最初から細かく作りすぎていたこと。そこで、思い切って「月初残高・入金・出金・月末残高」の4行だけのシンプルな表に変えました。
すると、毎週5分の更新が苦にならなくなり、初めて資金繰り表が習慣として定着。お金の流れが見えるようになり、資金繰りの不安も減りました。「複雑にしていたのが続かない原因だった。シンプルにしたら一気に続いた」と社長は話します。
よくある質問(FAQ)
- 続かない原因は「作り込みすぎ」
- 必要なのは「月初残高・入金・出金・月末残高」の4行だけ
- 正確さより「続けること」を優先する
- 更新日を決め、ツールも使って習慣化する
- 慣れたら少しずつ項目を増やして育てる


