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売上より粗利を見るべき理由|儲かる会社が重視する数字の見方

経営たぬき

「今月は売上が過去最高だった」と喜んだのに、手元のお金はちっとも増えていない――そんな経験はありませんか。実は、儲かる会社の社長は「売上」ではなく「粗利(あらり)」を見て経営判断をしています。この記事では、なぜ売上より粗利が大切なのか、その理由と具体的な数字の見方を、初めての方にもわかるようにやさしく解説します。
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社長うちは売上を伸ばすことを一番の目標にしています。売上が増えれば会社も良くなりますよね?
👨‍🏫
アドバイザーそこが落とし穴なんです。売上が増えても、粗利が薄ければ会社にお金は残りません。今日は「粗利」の見方を覚えていきましょう。

そもそも「粗利」とは何か

粗利(売上総利益)とは、売上高から売上原価を引いた、最初の利益のことです。商品を100円で仕入れて150円で売れば、粗利は50円。この粗利こそが、人件費や家賃などのあらゆる経費をまかなう「会社の生命線」です。

売上は「会社に入ってきたお金の総額」にすぎず、その中には仕入れ先に支払うべきお金も含まれています。つまり売上の大きさと、会社に残るお金の大きさは、まったく別物なのです。

POINT

売上は「規模」、粗利は「中身」。社長が本当に増やすべきは、売上という器の大きさではなく、そこに残る粗利という中身です。

なぜ売上より粗利を見るべきなのか

理由1:売上が増えても赤字になることがある

値引きをして売上を伸ばすと、原価率が上がって粗利が減ります。売れば売るほど忙しくなるのに利益は減る――これが「増収減益」の正体です。

理由2:粗利の中からすべての経費を払う

給料も家賃も広告費も、すべて粗利の中から支払います。粗利が小さければ、いくら売上が大きくても経費を払いきれません。

数字で見る「売上の罠」

次の2社を比べてみましょう。売上はB社のほうが大きいですが、会社に残る粗利はA社のほうが多くなっています。

項目 A社 B社
売上高 1,000万円 1,500万円
売上原価 400万円 1,200万円
粗利 600万円 300万円
粗利率 60% 20%

B社は売上が1.5倍あるのに、残る粗利はA社の半分です。「売上が大きい=儲かっている」とは限らないことが、はっきり分かります。

😲
社長本当だ…。売上だけ見ていたら、B社のほうが優秀だと勘違いしていました。

儲かる会社が重視する「粗利率」の見方

粗利率は「粗利 ÷ 売上 × 100」で計算します。この数字を継続的に追うことで、会社の収益力が改善しているか悪化しているかが一目で分かります。

見方1:自社の粗利率の推移を追う

他社との比較より、まず自社の昨年・先月との比較が大切です。粗利率が下がっていれば、値引きのしすぎや原価上昇のサインです。

見方2:商品・顧客別に粗利を分解する

全体の粗利率だけでなく、「どの商品」「どのお客様」が利益を生んでいるかを分けて見ると、力を入れるべき分野が明確になります。

注意

粗利率を無視して「とにかく売上アップ」を目標にすると、薄利の仕事ばかりが増え、現場は疲弊し、会社にお金は残りません。売上目標と同時に、必ず粗利目標を立てましょう。

今日からできる粗利経営の第一歩

CHECK

  • 毎月の粗利と粗利率を計算している
  • 昨年同月と粗利率を比較している
  • 商品ごと・顧客ごとの粗利を把握している
  • 売上目標と一緒に粗利目標を立てている
  • 値引きが粗利に与える影響を理解している

粗利を増やす4つの具体策

粗利を見る習慣がついたら、次は実際に粗利を増やす行動です。方法は大きく4つに整理できます。

1. 価格を上げる

最も即効性があるのが値上げです。粗利率が低い商品ほど、わずかな値上げでも粗利への効果は絶大です。たとえば粗利率20%の商品を5%値上げすれば、粗利は一気に約25%も増えます

2. 原価を下げる

仕入れ先の見直し、まとめ発注による単価交渉、ロス(廃棄)の削減などで原価を下げれば、その分がそのまま粗利になります。売上を増やさなくても利益を増やせるのが魅力です。

3. 商品構成を見直す

粗利率の高い商品の販売に力を入れ、粗利率の低い商品の比率を下げます。同じ売上でも、「売る中身」を変えるだけで残る粗利は大きく変わります

4. 値引きをやめる

安易な値引きは粗利を直接削ります。「端数を切る」「サービスする」が習慣になっていないか、一度見直してみましょう。値引きの代わりに、価値を伝える努力に切り替えます。

💡
社長値上げだけじゃなく、原価や商品構成、値引きをやめることでも粗利は増えるんですね。
👨‍🏫
アドバイザーそうです。この4つを組み合わせれば、売上を無理に追わなくても、利益体質の会社に変われますよ。

粗利を見るときに陥りやすい落とし穴

落とし穴1:全体の粗利率だけで満足する

会社全体の粗利率が良くても、その中に大きな赤字商品が隠れていることがあります。必ず商品別・部門別に分解して、利益の源泉と出血箇所を見極めましょう。

落とし穴2:人件費を原価に入れ忘れる

製造業やサービス業では、商品を作るためにかかる人の手間(労務費)も原価の一部です。これを見落とすと、粗利を実態より多く見積もってしまいます。

POINT

粗利は「会社全体」と「商品・顧客ごと」の両方の視点で見るのが鉄則。全体だけ・個別だけでは、判断を誤ります。

粗利を経営に活かす習慣づくり

粗利経営は、一度計算して終わりではありません。毎月の数字を継続的に追い、前月・前年と比べることで初めて意味を持ちます。月次決算とあわせて粗利率をチェックする習慣をつければ、会社の変化にいち早く気づけるようになります。

「今月は売上が伸びたのに粗利率が下がった。なぜだろう?」――この問いを毎月立てられる社長の会社は、確実に強くなっていきます。

この記事のまとめ

  • 粗利=売上−売上原価。すべての経費の源
  • 売上が増えても粗利が薄ければお金は残らない
  • 売上の大きさと残るお金は別物
  • 自社の粗利率の推移と、商品・顧客別の粗利を見る
  • 売上目標と必ずセットで粗利目標を立てる
Q. 粗利率の目安はどのくらい?
業種によって大きく異なります。飲食業や製造業は低め、サービス業やコンサルは高めです。他社比較より自社の推移を重視しましょう。
Q. 粗利と営業利益の違いは?
粗利から人件費や家賃などの販売管理費を引いたものが営業利益です。粗利は「入口の利益」、営業利益は「本業の最終的な利益」です。
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経営コンサルタント
税理士事務所十数年、法人経理・経営を2年の経験を経て、法人・個人問わずスタートアップのコンサルタントをさせていただいております。
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