固定費を下げる経営術|利益が残る会社に変わる費用管理の基本
- 固定費とは何か・なぜ重要か
- 固定費を下げる効果の大きさ
- 固定費を下げる具体的な方法
- 下げる時の注意点と費用管理の基本
固定費とは?なぜ利益を左右するのか
固定費とは、売上の増減に関係なく、毎月決まってかかる費用のことです。家賃、人件費、リース料、保険料、サブスク料金などが代表例です。売上がゼロの月でも、容赦なく出ていくのが固定費の特徴です。
固定費が重いと、売上が少し落ちただけで、一気に赤字に転落します。逆に固定費が軽ければ、売上が多少減っても利益を確保できます。つまり、固定費の水準は「会社がどれだけ売上の変動に耐えられるか」を決める、重要な数字なのです。利益が残る会社は、この固定費を上手にコントロールしています。
固定費を下げる効果はどれくらい大きいか
固定費を下げる効果は、売上を増やすことと比べると、その大きさがよくわかります。多くの社長は「利益を増やすには売上を増やすしかない」と思い込んでいますが、それは大変な道のりです。たとえば利益率10%の会社が利益を10万円増やすには、売上を100万円も増やす必要があります。新規のお客さんを集め、商品を作り、届けて——と、相当な労力がかかります。
一方、固定費を10万円下げれば、それがそのまま10万円の利益になります。売上を100万円増やすのは大変ですが、固定費を10万円見直すのは、はるかに簡単で確実です。固定費削減は、最も手早く・確実に利益を増やせる方法の一つなのです。
固定費を下げる具体的な方法
では、どんな固定費から手をつければいいのか。やみくもに削るのではなく、効果が出やすく・痛みの少ないものから順に手をつけるのがコツです。一つずつ見ていきましょう。どれも、今日から検討を始められるものばかりです。
使っていないサブスク・契約を解約する
気づかぬうちに払い続けているサービスはありませんか。使用頻度の低いツール、惰性で続く会費などを洗い出し、不要なものを解約します。痛みなく削れる入口です。家賃・賃料を見直す
大きな固定費である家賃。広すぎるオフィスの縮小、賃料交渉、移転の検討など。固定費の中でも金額が大きいだけに、効果も大きい部分です。保険・通信費を見直す
過剰な保険、割高な通信プランなどを見直します。同じ保障・サービスでも、プランを変えるだけで安くなることは少なくありません。外注・委託の内容を精査する
外注費が本当に必要か、内製化できないか、量を調整できないかを検討します。惰性で続けている委託契約は、見直しの余地が大きいものです。固定費を下げる時の「注意点」
固定費削減は効果的ですが、やり方を間違えると会社の力を弱めてしまいます。次の点に注意しましょう。
特に人件費は慎重に扱うべきです。人を減らせば一時的に固定費は下がりますが、残った社員の負担が増え、サービスが低下し、人材が流出する恐れもあります。固定費削減は、まず「人以外のムダ」から取り組むのが鉄則です。
利益が残る「費用管理の基本」
固定費を下げたら、その状態を保ち、ムダが再発しない仕組みを作りましょう。固定費は油断するとまた増えていくもの。一度きりの見直しで終わらせず、ムダがたまりにくい体質をつくることが大切です。次のことを習慣にします。
- すべての固定費を一覧にして、定期的に見直す
- 新しい固定費(契約)を増やす前に、本当に必要か考える
- サブスクや定期契約は、使用状況を定期チェックする
- 固定費を「変動費化」できないか検討する(必要な時だけ使う形へ)
- 削減で生まれたお金を、利益や成長投資に回す
【具体例】固定費見直しで黒字転換したT社
T社は、売上は悪くないのに、毎月の固定費が重く、なかなか利益が残らない状態でした。すべての固定費を書き出してみると、使っていないクラウドサービス、広すぎるオフィス、割高な保険などが見つかりました。
不要なサブスクを解約し、オフィスを適正な広さに移転、保険も見直し。人件費には手をつけずに、毎月の固定費を大きく圧縮できました。その結果、同じ売上でもしっかり利益が残るように。「一度の見直しで、毎月効果が続くのが固定費削減の魅力だと実感した」と社長は話します。
よくある質問(FAQ)
- 固定費は売上に関係なく出ていく「会社の体重」
- 固定費削減は効果がずっと続く確実な利益対策
- 使っていないサブスク・家賃・保険などから見直す
- 人件費や価値を生む費用は安易に削らない
- 身軽な会社は不況に強く、攻めにも転じられる


