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社長が資金繰りでやってはいけないこと10選|黒字でも危ない会社の共通点

社長が資金繰りでやってはいけないこと10選 黒字でも危ない会社
経営たぬき
「決算は黒字なのに、なぜか通帳のお金が増えない」「月末になると支払いに追われて胃が痛い」——。多くの社長が抱えるこの悩み、原因は資金繰りの“やってはいけない”を知らないことにあります。会社は赤字では倒れません。お金が尽きたときに倒れます。この記事では、黒字でも危ない会社に共通する「資金繰りのNG行動10選」を、対処法とセットでやさしく解説します。
🦝
たぬき先生
黒字倒産って言葉、聞いたことあるかい?利益が出ていても、手元の現金がなくなれば会社は止まってしまうんだ。だからこそ「資金繰り」が一番大事なんだよ。
🧑‍💼
社長
利益が出ていれば安心だと思っていました…。何に気をつければいいんですか?
― この記事でわかること ―
  1. なぜ黒字でもお金が足りなくなるのか
  2. 資金繰りでやってはいけない10の行動
  3. 危ない会社に共通するサイン
  4. 今日からできる資金繰り改善の基本

なぜ「黒字」なのにお金が足りなくなるのか

利益と現金は、まったく別のものです。利益は「売上−費用」の計算上の数字。一方、現金は実際に手元にあるお金です。売上が立っても、入金がまだなら現金は増えません。仕入れや経費の支払いが先、入金が後——この“ズレ”が資金繰りを苦しくする最大の原因です。

💡 POINT:利益とお金は「別物」
帳簿上の利益が出ていても、売掛金・在庫・借入返済・税金などで現金は容赦なく出ていきます。社長が見るべきは「利益」だけでなく、「現金がいくら残るか」です。

まずは「資金繰り表」で先を読む

資金繰りの不安をなくす第一歩は、未来のお金の動きを見える化することです。難しい会計知識はいりません。次のように「いつ・いくら入って・いくら出るか」を3か月先まで書き出すだけで十分です。

項目今月来月再来月
月初の現金残高200万150万180万
入金(売上回収)+300万+350万+320万
出金(仕入・経費・返済)−350万−320万−330万
月末の現金残高150万180万170万

この表があれば、「来月は残高が薄くなりそうだ」と事前に気づけるようになります。資金繰りは、ピンチになってから動くのではなく、ピンチを予測して先に手を打つもの。たった1枚の表が、社長の安心を支えてくれます。

資金繰りでやってはいけない10の行動

ここからが本題です。黒字でも危ない会社が、知らずにやってしまっているNG行動を10個、順番に見ていきましょう。

① どんぶり勘定で現金残高を把握していない

今いくらあって、来月いくら出ていくのか。これを把握せずに経営するのは、燃料計を見ずに高速道路を走るのと同じです。「だいたい大丈夫だろう」という感覚ほど危ういものはありません。まずは資金繰り表で「見える化」し、数字に基づいて判断する習慣をつけましょう。

② 売上が伸びているのに油断する

急成長期こそ危険です。売上が伸びると仕入れや人件費の支払いが先行し、入金が追いつかず現金が一気に不足します。これを「増収貧乏」と呼びます。売上が2倍になれば、必要な運転資金もおおむね2倍に。勢いに任せて受注を増やすほど、立て替えるお金が膨らみ、気づけば現金がカツカツ——という落とし穴にはまります。

③ 売掛金の回収を後回しにする

「請求は来月まとめて」「催促は気まずい」——この甘さが命取り。回収サイトが長いほど、会社のお金は他社に無利息で貸している状態になります。請求はその場で、入金期日は短く、遅れたら早めに連絡。当たり前のことを徹底するだけで、手元の現金は驚くほど変わります。

④ 在庫を持ちすぎる

在庫は「形を変えた現金」です。売れない在庫を抱えるほど、現金は棚に眠ったまま。仕入れすぎは資金繰りを静かに圧迫します。

⑤ 利益をすべて使ってしまう

儲かった分を設備や交際費で使い切ると、いざという時の備えがゼロに。利益が出たときこそ、一部を現金として残す習慣が大切です。

⚠️ 特に危険なNG行動
  • ⑥ 高金利の借入に安易に手を出す:目先の資金欲しさにノンバンクへ。返済でさらに苦しくなる悪循環に。
  • ⑦ 納税資金を分けて準備しない:消費税や法人税は「預かっているお金」。使い込むと納税期に資金ショート。
  • ⑧ 銀行と平常時に付き合わない:苦しくなってから駆け込んでも遅い。元気なうちの関係づくりが命綱。

⑨ 社長の個人口座と会社の口座を混ぜる

どんぶり化の元凶です。会社のお金の流れが見えなくなり、いくら残っているのか誰にもわからなくなります。口座は必ず分けましょう。

⑩ 「なんとかなる」と問題を先送りする

資金繰りの悪化は、早く気づくほど打つ手が多くあります。融資の相談、支払いの調整、コスト削減——どれも、時間に余裕があるうちなら冷静に選べます。先送りした分だけ、選択肢は確実に減っていきます。違和感を覚えたら、すぐ手を打つことが鉄則です。

🧑‍💼
社長
⑦の納税資金、まさにやりがちでした…。預かっているお金という感覚がなかったです。
🦝
たぬき先生
気づけたなら大丈夫。消費税は「お客さんから預かって国に納めるお金」。最初から別口座に避けておくだけで、資金繰りはぐっと安定するよ。

危ない会社に共通する「3つのサイン」

次のサインが出ていたら要注意。早めの対処で、会社は十分に立て直せます。

危険サイン何が起きているか
借入の返済が利益を上回る稼ぐ以上に返済しており、現金が減り続ける
支払いを待ってもらうことが増えたすでに資金繰りが限界に近い状態
毎月の残高を見るのが怖い把握を避けている=最も危険な心理状態

今日からできる資金繰り改善の基本

難しく考える必要はありません。資金繰りの改善は、特別な才能ではなく「習慣」で決まります。次のことを毎週・毎月のルーティンにするだけで、お金の不安は大きく減っていきます。

  • 毎週、現金残高と翌月の入出金をざっくり確認する
  • 売掛金は「いつ入るか」をリスト化し、回収を早める
  • 納税資金と予備資金を、別口座に先に分けておく
  • 利益が出たら、最低でも1か月分の固定費を現金で残す
✅ 目標は「1〜3か月分の現金」
最低でも固定費の1か月分、できれば3か月分の現金を手元に持つことを目指しましょう。この“現金の厚み”が、どんな不測の事態からも会社を守る最強の盾になります。

【具体例】黒字なのに資金ショートしかけたA社の話

ある内装工事のA社は、受注が好調で決算は黒字。社長も「うちは順調だ」と感じていました。ところがある月、職人さんへの支払いと材料費の支払いが重なり、あと少しで支払い不能になる寸前まで追い込まれたのです。

原因はシンプルでした。工事の入金は「完成・引き渡しの2か月後」。一方で、材料費と人件費は工事中に先に出ていきます。受注が増えるほど、先に出ていくお金(立替)が膨らみ、黒字なのに現金が枯れる典型的なパターンに陥っていたのです。

A社が立て直しのために行ったのは、次の3つでした。

  • 着手金(前受金)をもらう契約に変え、入金を前倒しした
  • 主要な仕入先に支払いサイトの延長を相談した
  • 銀行に運転資金の融資枠を平常時に確保しておいた

結果、入金と支払いのタイミングのズレが解消し、資金繰りは劇的に安定。社長は「利益より先に、お金の流れを見るべきだった」と振り返っています。

💡 POINT:入金は早く、支払いはゆっくり
資金繰り改善の基本は「入金を早め、支払いを遅らせる」こと。前受金・着手金・回収サイトの短縮で入りを早く、支払いサイトの調整で出を遅く。この一手ずつが、手元の現金を厚くします。
🧑‍💼
社長
なるほど…!同じ売上でも、入金と支払いの順番を変えるだけで、こんなに楽になるんですね。
🦝
たぬき先生
そう。資金繰りは「タイミングの管理」なんだ。難しい知識より、お金がいつ入っていつ出るかを把握するだけで、会社はぐっと強くなるよ。

よくある質問(FAQ)

Q. 資金繰り表は難しそうで作れません…
A. 最初は手書きやエクセルで十分です。「月初の残高+入金−出金=月末残高」を3か月先まで書くだけでOK。完璧を目指さず、まず“見える化”することが大切です。
Q. お金が足りなくなりそうなときは?
A. 早めに取引銀行へ相談するのが基本です。支払いの分割や返済条件の見直し(リスケ)など、早ければ早いほど選べる手段があります。一人で抱え込まないことが何より重要です。
Q. どのくらい現金があれば安心ですか?
A. 業種にもよりますが、固定費の3か月分が一つの目安です。売上がゼロになっても3か月は耐えられる、という安心感が冷静な経営判断を支えます。
Q. 顧問税理士に任せていれば大丈夫では?
A. 税理士は税務のプロですが、日々の資金繰りを管理してくれるわけではありません。会社の現金を守れるのは社長自身です。数字を「自分の言葉」で理解しておくことが、強い経営の土台になります。
📌 この記事のまとめ
  • 会社は赤字でなく「現金切れ」で倒れる
  • 利益とお金は別物。見るべきは現金残高
  • NGの代表は「どんぶり勘定・納税資金の使い込み・先送り」
  • 口座を分け、売掛金を早く回収し、現金を残す
  • 固定費の1〜3か月分の現金が会社を守る盾になる
💪 お金の不安から、自由になろう
資金繰りは、知れば必ずコントロールできます。今日から「現金を見る習慣」を始めて、安心して経営に集中できる会社へ。経営たぬきと一緒に「0」から学んでいきましょう。
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経営コンサルタント
税理士事務所十数年、法人経理・経営を2年の経験を経て、法人・個人問わずスタートアップのコンサルタントをさせていただいております。
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