客単価を上げる方法|値引きせずに一人あたり売上を増やす工夫
- 客単価とは何か、売上との関係
- 値引きより客単価アップが大切な理由
- 客単価を上げる5つの方法
- 客単価アップを成功させる仕組みと注意点
客単価とは?売上との関係をやさしく解説
客単価とは、お客さん一人(または一回の取引)あたりの売上のことです。難しく考える必要はありません。売上は、とてもシンプルな式で表せます。
売上 = 客数 × 客単価。この式が、客単価の大切さを教えてくれます。売上を伸ばす方法は、つまるところ「客数を増やす」か「客単価を上げる」かの2つしかありません。多くの会社が客数(新規集客)にばかり目を向けますが、客単価を上げれば、お客さんの数が同じでも売上は伸びます。たとえば客単価が1割上がれば、客数が同じでも売上は1割増える計算です。新しいお客さんを集めるより、ずっと少ない労力で実現できることも多いのです。
なぜ「値引き」ではなく「客単価アップ」なのか
売上を伸ばそうとすると、つい「安くすればたくさん売れる」と考えがちです。しかし、値引きは利益を大きく削る、危険な方法です。なぜなら、値引きした分は、まるごと利益から消えていくからです。
たとえば、利益率が3割の商品を1割値引きすると、利益は3分の1も減ってしまいます。値引きで客数が増えても、利益が残らなければ意味がありません。一方、客単価を上げる工夫は、値引きと真逆です。お客さんに「より価値のあるもの」を提案して、納得して多く買ってもらう。だから利益率を落とさずに、売上と利益を同時に伸ばせます。安売り競争から抜け出し、利益が残る会社に変わるためにこそ、客単価アップの工夫が必要なのです。
客単価を上げる「5つの方法」
客単価を上げる方法は、難しいテクニックではありません。次の5つは、どんな業種でも取り入れやすい、基本の工夫です。
関連商品をすすめる(クロスセル)
購入する商品に関連したものを一緒に提案します。「これも一緒にいかがですか」の一言で、一度の購入額が自然に増えます。上位プランをすすめる(アップセル)
一つ上のグレードや、より満足度の高いプランを案内します。お客さんの「せっかくなら」という気持ちに応える提案です。セット販売・まとめ買いを用意する
単品より少しお得なセットや、まとめ買いの仕組みを用意します。お客さんは満足し、こちらは一度の売上が増えます。松竹梅の3段階を用意する
価格帯を3つ用意すると、多くの人は真ん中を選びます。一番安いものだけでなく、中位・上位の選択肢を見せることが大切です。価値を伝えて適正価格にする
商品やサービスの価値をきちんと伝え、見合った価格を設定します。安さではなく価値で選んでもらうことが、単価アップの土台です。客単価アップを成功させる「仕組み」
客単価を上げる工夫は、思いつきでやっても続きません。お店やスタッフ全員が、自然に実践できる仕組みにすることが大切です。次のポイントを押さえましょう。
| やること | 効果 |
|---|---|
| おすすめの「定番トーク」を決める | 誰でも同じ提案ができる |
| 関連商品・上位プランを見える化 | 提案の漏れを防ぐ |
| セットやまとめ買いを用意する | 自然に単価が上がる |
| お客さんの購入履歴を記録する | 一人ひとりに合った提案ができる |
特に効果が大きいのが、「定番トーク」を決めておくことです。提案が得意な人だけに任せると、客単価は安定しません。「この商品を買う人には、これをすすめる」というルールを決め、誰でも同じ提案ができるようにする。仕組みにしてしまえば、無理なく、会社全体で客単価を上げ続けられます。
客単価を上げるときの「注意点」
客単価アップは利益を伸ばす強い味方ですが、やり方を間違えるとお客さんの信頼を失います。次のことに気をつけましょう。
- お客さんに必要ないものを無理にすすめていないか
- 提案が「押し売り」になっていないか
- 本当にお客さんの役に立つ提案になっているか
- 価格に見合った価値を、きちんと伝えているか
- 一度の単価だけでなく、リピートにつながっているか
業種別・客単価を上げるヒント
客単価を上げる方法は、業種によって取り入れ方が少し変わります。自社に近い例を参考に、できそうなものから試してみましょう。
| 業種 | 客単価アップの工夫 |
|---|---|
| 飲食店 | セットメニュー、ドリンクや一品の追加提案 |
| 小売店 | 関連商品の陳列、まとめ買い割引、ギフト提案 |
| 美容・サロン | 上位コース、物販、次回予約とセット提案 |
| 士業・サービス業 | 顧問プランの段階化、オプションサービスの用意 |
どの業種にも共通するのは、「お客さんが本当に求めているもの」を一歩先回りして提案することです。たとえば飲食店なら、料理に合う一品やドリンクを添える。サロンなら、その人の悩みに合った上位メニューをすすめる。お客さんの満足度が上がれば、客単価とリピートは同時に伸びていきます。自社のお客さんが「あったら嬉しい」と感じるものは何か——その視点で見直すことが、客単価アップの第一歩です。
【具体例】客単価アップで利益を伸ばしたS店
地方で飲食店を営むS店は、客数がなかなか増えず、売上に伸び悩んでいました。新規集客に力を入れても、なかなか成果が出ません。そこで方針を変え、客単価を上げる工夫を始めました。
メニューに「おすすめのセット」を用意し、注文時に「ご一緒にいかがですか」と一品を提案するルールを決めたのです。すると、客数は同じままでも、一人あたりの注文額が増え、売上は自然と伸びていきました。値引きもしていないので利益率も改善。「お客さんの数を追わなくても、まだ伸ばせる余地があった」とS店の店主は手応えを感じています。
- 売上は「客数 × 客単価」。客単価を上げれば客数が同じでも売上は伸びる
- 値引きは利益を直接削る。客単価アップは利益率を保てる
- 方法は「関連商品・上位プラン・セット・松竹梅・価値訴求」の5つ
- 定番トークなど「仕組み」にすれば会社全体で続けられる
- 押し売りにせず、お客さんの満足を高める提案を心がける


